Othello! JAPAN Blog
3日前に掲載した「数字で見るオセロ。の数字の見方3」の続きです。



この表の数字の見方について説明します。
今回で最後です。

■ 幻惑力(41-60)

「相手石損」は、対戦相手の石損合計の1試合当たりの平均です。

「石数gain」は、「相手石損」から自分の「石損平均」を引いたものになります。つまり、1試合当たり、41手目以降でどれだけ得(?)をしたかを表します。

岡本さんと山川さんの比較として、石損平均を見ると岡本さんが8.2で山川さんが2.9と、5石以上差があるわけですが、石数gainを見るとほとんど同じ。

終盤石損2.9という恐ろしい数字を出した山川さんが「わかりやすい終盤が多かった」と謙遜していましたが、「相手石損」も他者と比較して小さいことから察するに、多少「大きなミスをしづらい終盤」が多かったのかもしれません。ただそれにしても石損平均2.9ってのは恐ろしいことですからね。

そんなわけで、数字で見るオセロ。の数字の見方はこれで終了でーす。

3日前に掲載した「数字で見るオセロ。の数字の見方2」の続きです。



この表の数字の見方について説明します。

■ 終盤力(41-60)

「石損回数」の欄には、1試合当たりの石損回数平均が書かれています。
1試合当たりの石損回数とは、1試合の中で、41手目以降に最善ではない手を打った回数です。

「石損平均」の欄には、1試合当たりの石損合計の平均が書かれています。
1試合当たりの石損合計とは、1試合の中で、41手目以降に打たれた最善ではない手が最善の手と比べて何石損をしているかを合計したものです。
ここでは石数ではなく石差を使っていますので、33-31で勝てるゲームを32-32にしてしまうような手は2石損と数えます。

「WLD変動」とは、逆転の悪手を打ってしまった回数の合計を表します。
勝ち局面を負け局面にしてしまった場合は 1、勝ち局面を引分局面にしてしまった場合と引分局面を負け局面にしてしまった場合は 0.5 となります。
この指標は「回数」なので、お互いに逆転の悪手を打ちあったりするゲームでは、1ゲームでWLD変動が3とか、そういう大きい数字になってしまう場合もあります。

  * * *

表を見てみると、上位陣の石損平均は9石以下です。
世界選手権で決勝トーナメントに進むには、このくらいの数字が出せないといけなそうですね。


続きはまた次回。

3日前に掲載した「数字で見るオセロ。の数字の見方1」の続きです。



この表の数字の見方について説明します。

■ 序中盤力(1-40)

「40手目勝数」とは、40手目を打ち終えた時点で優勢だった(以降最善ならば勝っていた)ゲーム数を表します。

「40手目勝率」は、「40手目勝数」を試合数で割ったものです。

前回出てきた「勝数gain」は、「勝数」から「40手目勝数」を引くことで計算されます。

Brian Rose の「40手目勝数」を見るとなんと12勝です。
しかし「勝数gain」が-5.0ということで、つまり40手目以降で逆転負けしてしまったゲームが5ゲームもあったということになります。

逆に山川さんは、40手目勝数が7.5と低めですが、「勝数gain」が2.0。40手目以降で2ゲーム逆転して勝利を奪い取っています。

続きはまた次回。

半月ほど前に、「数字で見る世界戦。」としてこんな表を掲載しました。



こういうマニアックなことを普段から気にしている人ならスッと入ってくる表かもしれませんが、そうではない人のために、それぞれの数字が何なのかを細かく書いてみようかと思います。

■ 総合力(1-60)

この「勝数」と「勝率」は説明不要かもしれませんが・・・

この表は世界戦の予選13試合を対象にしたものなわけですが、その13試合で何勝したかが「勝数」になります。勝ちは1勝、引分は0.5勝、負けは0勝となり、それを合計したものです。

「勝率」は「勝数」を「試合数」で割ったもの。この表の場合には勝数を13で割ったものになります。

「勝敗gain」は次の「序中盤力」の指標と関係してくる数字なんですが、40手目の時点で負けていた(評価値がマイナスだった)ゲームを、何ゲームひっくり返したか、という数です。
岡本さんの数字を例に取ると、勝敗gainが1.0となっているので、40手目以降で逆転勝ちしたゲームが1試合ある、ということになります。
もっと正確に言うと、40手目以降で逆転されたゲームがあればそれはマイナスとして扱われます。
従って、「勝敗gainが1.0」であることから読み取れることは、40手目以降で逆転勝ちしたゲームが、40手目以降で逆転負けしたゲームより1つ多かった、ということになります。

続きはまた次回。



今はもうオセロはやってない(と思う)井端三段の「数字で見るオセロ。」。

http://www.geocities.jp/tibata001/OTH/stats.html
この考え方をそのままぱくって、今回の世界選手権について計算してみたのが上の図です。
予選13ラウンド8勝5敗以上の選手について、予選13試合に関する統計を取ってみました。
ほんとは全員について計算しましたけど、全部掲載するのもアレなので上位だけにしました。

ちなみに、試合数が13より小さい人は、世界戦のサイトに棋譜が掲載されていない対戦があったことを意味しています。

驚異的なのがやっぱり山川七段の終盤力ですね。誰かのツイートで3.2石と見たのですが、さっき作ったソフトで計算したところ、どうやら2.9石のようです。ゼブラで再確認とかはしてないので、間違ってたらごめんなさい。
そんな山川七段、40手目時点の勝率で見ると他の上位選手と比較して数字が落ちています。その分を脅威の終盤力でカバーした、ってことなんですかね。

Brian Rose の40手目勝率100%ってのが驚きの数字。これもゼブラ確認はしてないのでバグだったらごめんなさい。
13局中少なくとも12局は40手目でリードしていたのですが、41手目以降でそのうち5ゲームがまくられてしまってます。

そんな感じで、細かく数字を読み解くところまではやりませんので、あとは自由に読み取って下さいませ。