Othello! JAPAN Blog


Othello World Cup 2013の予選と本戦、そして Othello World Cup 2014の予選、同勝数者の順位決定には独特のポイント方式を用いています。

11月10日に行われた最終予選を例にとって、どんな計算でポイントを求めているのか、ちょっと説明してみます。

ポイントによるタイブレイクがとっても意味を持つ5勝2敗について見てみます。7回戦終了時点で5勝2敗だったのは以下の11名。
 4. 末國 誠   九段
 5. 村上 健   九段
 6. 滝沢 雅樹  九段
 7. 大野 友弘  七段
 8. 中島 哲也  八段
 9. 後藤 宏   七段
10. 三屋 伸明  五段
11. 加納 勇気  五段
12. 松谷 信平  四段
13. 塚本 和磨  三段
14. 大清水 崇典 五段
ポイントによって、4位〜14位に順位づけされています。

まず1番重みのある指標は、1ラウンド前の勝数です。
6回戦終了時点で勝数の多い方が上位になります。
別の言い方をすれば、最後に負けている方が上位、とも言えます。
最終戦前に自分より勝数の多い人には、最後で勝数が追いついてもポイントでは絶対に追いつけない、と言えます。

この11人の中で、末国九段、村上九段、滝沢九段の3名は、5勝1敗から最後敗れての5勝2敗ということで、他の8人より上位になります。

次は、以下の2つの合計になります:

 1 自分が勝った相手の中で一番勝数の多い人の勝数
 2 自分が負けた相手の中で一番勝数の少ない人の勝数

例えば6勝1敗の人に黒星を付けてたりすると、1 のポイントが高くなります。
2 は、自分に勝った相手が全員好成績だと高くなります。逆に例えば 1 勝しかしていない選手に負けてたりすると、2 のポイントが低くなり、やばいです。

さて、これを全員について見ていくのは面倒なので、プレイオフに進出できるかできないかの境目になった、7位の大野七段と8位の私で見てみます。
・・・と思いましたが、ワイルドカードによる参加資格が得られるかどうかの境目になった8位と9位も結果的に重要だったので、9位の後藤七段も合わせてみてみます。

 大野七段: ○後藤 5勝 + ×末国 5勝 = 10
 中島八段: ○三屋 5勝 + ×末国 5勝 = 10
 後藤七段: ○塚本 5勝 + ×石崎 4勝 = 9

大野七段と私は、勝った相手で一番勝数の多い人の勝数が5勝で、負けた相手で一番勝数の少ない人の勝数が5勝ということで、同点。
後藤七段は9点。ここで、大野・中島 > 後藤 が決まります。

同点の大野・中島については、以下の2つの合計を比較します。

 3 自分が勝った相手の中で2番目に勝数の多い人の勝数
 4 自分が負けた相手の中で2番目に勝数の少ない人の勝数

比べてみます:

 大野七段: ○大清 5勝 + ×滝沢 5勝 = 10
 中島八段: ○土屋 4勝 + ×佐谷 6勝 = 10

また同点なので、お察しの通り以下の2つの合計を比較します。

 5 自分が勝った相手の中で3番目に勝数の多い人の勝数
 6 自分が負けた相手の中で3番目に勝数の少ない人の勝数

ただし今は両者ともに5勝2敗ですから、6は存在しません。5 だけの比較になります。

 大野七段: ○駒形 4勝 = 4
 中島八段: ○和泉 3勝 = 3

ここで差が付きました。
・・・という差により、大野七段が私より上になっています。

  * * *

こんな感じのポイント方式です。

ざっくり言うと、、、

順位の低い選手に負けてるとポイントが伸びない、上位の選手にしか負けてない方がポイントが高くなる、上位の選手に勝つとポイントが伸びる、という感じのシステムです。

3日前に掲載した「数字で見るオセロ。の数字の見方2」の続きです。



この表の数字の見方について説明します。

■ 終盤力(41-60)

「石損回数」の欄には、1試合当たりの石損回数平均が書かれています。
1試合当たりの石損回数とは、1試合の中で、41手目以降に最善ではない手を打った回数です。

「石損平均」の欄には、1試合当たりの石損合計の平均が書かれています。
1試合当たりの石損合計とは、1試合の中で、41手目以降に打たれた最善ではない手が最善の手と比べて何石損をしているかを合計したものです。
ここでは石数ではなく石差を使っていますので、33-31で勝てるゲームを32-32にしてしまうような手は2石損と数えます。

「WLD変動」とは、逆転の悪手を打ってしまった回数の合計を表します。
勝ち局面を負け局面にしてしまった場合は 1、勝ち局面を引分局面にしてしまった場合と引分局面を負け局面にしてしまった場合は 0.5 となります。
この指標は「回数」なので、お互いに逆転の悪手を打ちあったりするゲームでは、1ゲームでWLD変動が3とか、そういう大きい数字になってしまう場合もあります。

  * * *

表を見てみると、上位陣の石損平均は9石以下です。
世界選手権で決勝トーナメントに進むには、このくらいの数字が出せないといけなそうですね。


続きはまた次回。