Othello! JAPAN Blog
連盟ホームページの「日本オセロ連盟競技ルール」に、「両者針落ち」なんて不思議なケースについて書いてあります。
対局者双方が気付かぬうちに双方が時間切れしていた場合は、対局者または審判の指摘により試合は終了し、結果は、双方2石負けとする。なお、トーナメントの場合は、引き分け勝ちの権利者が次の試合に進むものとする。
この競技ルールのページには、以下のような但し書きがあります:
当競技ルールにおいて、あらかじめ将来起きる全ての問題について、個々の解決法を具体的に示すことはできません。この競技ルールの条項に規則だてられない事は、類似した状況から無理の無い類推、もしくは慣習によって妥当な解決に到達するように、選手・審判が協力し合いながらの運用をお願いいたします。
こんな但し書きがあるのに「両者針落ち」なんて変なケースについては決めてある!

これはね、過去に実際起こったことがあるから決められてるんですよ。

両者針落ちって何?


これ、デジタルの対局時計だったら起こらないですよね。
あ、ものによるかもしれませんが、メジャー大会で使用しているザ・名人戦だったら、一方が時間切れになれば時計が止まるので、気が付いたら両方とも0になってた、ということはないと思います。

なので私も、このルールに違和感を覚えつつも、まぁ別にいいか、と流してるところです。

アナログ時計だと有りえます。
1. 相手の針落ちに気づかず、自分も針落ちしちゃう
2. 互いに針落ちすれすれで、一方が時計を強めに叩いた結果両方が同時に針落ち
という2つのケースが考えられるのかな。

気が付いたら両者時間切れになってた


上に書いた 1 のケースでは、まぁ、確かにどっちが先に時間切れしたのかわかりませんね。

それでも私はどちらかの勝ちにすべきと思いますが、まぁ、勝者を決められないという考え方もわからなくもないこともないこともないです。

時計を押したら両方針落ちになった


このケースは、さすがに「時計を押した人の針落ち」でしょう。
理論上「同時に時間切れになる」ことは有りえないわけで、言ってみれば時計の欠陥によりそういう事態が起こり得るわけですからね。
Aさんが時計を押して同時に針落ちになったのなら、
1. Aさんの時間が切れる
2. Aさんが時計を押す
3. Bさんの時間が切れる
とみなすのが妥当でしょう。
この、1⇒2 及び 2⇒3 にかかった時間が限りなく0に近かったために、「同時に時間切れになったように見えた」と考えましょう。

気が付いたら両者時間切れになってたケースを再考


1のケースをもうちょっと掘り下げて考えてみます。
現在Aさんの手番。
時計を見ると、両者針落ちになっている
これさ、Bさんの針落ちに気づかずAさんが次の手を考えていて、そしてAさんも時間切れになっちゃった、とみなすのが自然じゃありませんか?
それならBさんが先に時間切れになってるわけで、Aさんの勝ちとして良いでしょう。

ただもちろんその前に、Bさんも同じ状況だったけど、気づかず打っちゃった、という可能性もあります。
ただこの場合ね、これは不正着手に対する対応と同じで、「その状況を受け入れて試合続行」を選択したと言えます。相手は時間切れしてるけど、試合続行を受け入れた、ってことね。

ということでどちらにしても、このケースはAさんの針落ち勝ちにして良いと思うんですね。

両者針落ちの扱いに対する提案


ここまでの話をまとめると、お互い気づかぬうちに両者時間切れ、一方が時計を押した瞬間両方が時間切れ、このどちらについても、
両者針落ちの場合はその時点で手番側の選手の勝ち
という言い方ですっきり決めて良い気がします。

大昔に決められたルール


まぁ何にしてもね、両者2石負けって変なんで、なんとかして欲しいな。

これって大昔に作られたルールのはずでして、たぶん、現在理事をやってる人はこのルールの制定には関わってないと思うんですね。
このルールが適用される状況はおそらく発生しないからまぁいいんですが、こういう変な決めが「日本オセロ連盟競技ルール」に載っているのが嫌なんで、見直すか、削除しちゃうかしてくれないかな。