Othello! JAPAN Blog
返し忘れ等の不正着手があった場合どうするか、連盟ホームページの「日本オセロ連盟競技ルール」に書かれています。
直前の相手番に不正着手があった場合の指摘
直前の相手番に不正着手があった場合は、自分の時計のボタンを押し、相手の手番に戻した上でその不正の内容を指摘し、相手に訂正させることができる。なお、不正着手とは、自分の打つ石色の間違い、手番の間違い、打てない箇所への着手、返し忘れ、返しすぎ、打てる箇所がある局面でのパスを指す。
まぁ、通常はこれで十分なんですが、細かいことを考え始めるといろいろと疑問が出てくると思います。

競技ルールとして、もうちょっと細かく決めておいた方が良いんじゃないかなぁと思うことについていくつか書いてみます。

ゆっくりと指摘してみる

AさんとBさんの試合にて。
Aさんが最後の手を打って、残り時間5秒。
その最後の手で1個返し忘れをした。
Bさんが時計を押してAさんの手番に戻し・・・
Bさんが「これ返し忘れです!」と速やかに不正の内容を指摘すれば、Aさんは時間内に訂正できるでしょう。

しかしBさんが「えっと、、、たぶんですねぇ、、、返し忘れだと思うんですよ、この石が」と、5秒以上かけて伝えれば時間切れになるでしょう。

これ、どう思います?
道義的には「ちょっとBさんずるくない?」って感じがするかとは思いますが、ルール通りのことをちゃんとしています。

で、これが残り時間3秒だったら? 1秒だったら? と考えるとどうでしょう。
ルールではっきり決めておかないと、その時の責任者によって結果が変わってきちゃうと思うんですね。

そうそう起こることではないんですが、これがメジャー大会の決勝で起こったりしたら、どんな決定をしたとしても当事者も審判も後味がよろしくないと思うんですね。

私は不正着手にはなんらかのペナルティを与えるべきだと思ってまして、それで品川スーパーリーグでは「不正着手を指摘されたら残り時間を2分減らすペナルティ」としています。これならば、上記のようなケースで、指摘された時点で時間切れになるので、問題になりえません。

返し忘れかと思ったら返し忘れじゃなかった

AさんとBさんの試合にて。
Aさんの着手後、Bさんが返し忘れを指摘。
Bさんはルールに従って時計を押してAさんの手番にしています。
しかし実際には返し忘れはしていない。
細かいことを気にしなければ、Aさんが時計を押し返してまたBさんの手番にすれば良いだけなんですが。

このBさんの勘違い指摘によるやり取りの中で、数秒とは言え、Aさんの残り時間が確実に減ってしまってますよね。
この時間、どーしてくれんの! って話です。

こんなことをする人はいないと思いますが、悪意を持ってですよ、この間違い指摘を延々とやったらどうなります? Aさんの残り時間が数秒しかなかったとしたら、「これ返し忘れです」「いえ、返し忘れではありません」と、互いに時計をぽんぽんやり続けたら、最終的にはAさんの時間が0になってしまいますよね。

こういうのもね、何らかのペナルティを与えれば解決できると思うんです。
品川スーパーリーグでは、指摘ミス(不正着手を指摘したが不正着手ではなかった場合)についても、残り時間を2分減らすペナルティとしています。

試しに全部返してみる


これは完全に頭の中で考えた話で、そんなことをするやつはさすがにいないと思いますが。
AさんとBさんの対局にて。
Aさんが60手目を打つと、返らない石を含め、全てのBさんの石を裏返した。
これ、もちろん「返し過ぎ」になるわけですが・・・

まさか、「これとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれと・・・ これを返し過ぎています!」と、全ての間違いを指摘する義務がBさんにあるわけないですよね。
そもそもこんなことされちゃったら、正しい状態はもうわからなくなっちゃってますよね。

こういうしょーもないことをしたら反則負けにできるような、そんなルールを設定しておく必要があると思います。とは言え、素で返し過ぎしてしまった場合に反則負けになってしまうようなルールではやり過ぎでしょうから、なんかその辺をうまくわけられるルールが欲しいですね。

そもそもやり得なルールは良くない


すでにちょっと書きましたけど、不正なことをしてもなんのお咎めもないってのが細かい問題を生む原因になっている気がします。
故意ではないとは言え、ルールに反する不正なことをしているわけですからね、なんらかのペナルティを設定すべきだと思うんですよね。

現在のルールでは返し忘れ等の不正着手にペナルティがないから、ある意味「やってみる価値」があるわけです。
昔イタリアにそういうプレイヤーがいたんですが、わざと返し忘れをしたり、わざとパスをしたり、うまく行ったら(相手が指摘しなければ)勝ちが転がりこんでくる、という狙いね。指摘されても訂正すれば良いだけなんで、やってみて「損」はないわけです。

「そういう悪事を行う人は後々悪いことがある」みたいなお花畑な意見の人もいるかもしれませんが、やられる側にしてみたら、「不正着手を指摘する」という余計な手間を強いられるわけですよ。指摘できないとある意味「損」をするわけですから、指摘した場合には「得」(=相手の損)がないのはバランス悪くないですかね。