Othello! JAPAN Blog
最近変更になった世界選手権のルール


3日間に渡る世界選手権が幕を閉じました。
2012年の世界選手権、2013年のWorld Cupでどちらも準優勝だった岡本八段が見事優勝!
いやぁ、見ててほんとしびれました。

さてさて、世界選手権のルールで、最近変更になったものがいくつかあります。

現在のルールは、世界選手権のウェブサイトの以下のページに掲載されています。

WOC Rules
■2013年から変更になったルール

1. 3位決定戦・女子決勝・準決勝進出プレイオフの手番

2012年までは、予選上位者が手番を選択でき、また、引き分けの場合の勝ちの権利も得られました。
今年から、いわゆる日本の「引き分け勝ち」ルールが導入されました。
予選上位者が、日本の伏石で言うところの「伏石に勝った」状態になります。
つまり予選上位者が、手番か引分勝ちの権利を選択します。

今年の女子決勝がまさに引き分けだったわけですが、これは予選上位の Carolineが白を選択、そして自動的にKatieが黒番で引分勝ちの権利を持っていました。ということでKatieの優勝となりました。

2. 団体戦の計算方法

各国3名の無差別代表と女子代表1名が参加できます。
昨年まで、団体の成績は無差別3名の勝数の合計としていましたが、今年から、女子を含めた4人の中の上位3名分の勝数の合計がチーム成績となります。
無差別3名の成績 > 女子の成績 な国には影響のない変更です。

ちなみに、このルール変更で利益があったのはスウェーデンチーム

 スウェーデン選手の成績
  Tintin Eng {SWE} 8.5 (982)
 *Caroline Odsell {SWE} 8 (1023)
  Nils Berner {SWE} 7 (987)
  Oskar Eklund {SWE} 7 (957)

従来のルールなら、8.5+7+7 で22.5勝になりますが、今年のルールだと8.5+8+7で23.5勝になります。

■数年前に変更になったルール

1. プレイオフ

以前は、13ラウンド終了したところで4位と5位が同じ勝数の場合に準決勝進出をかけたプレイオフが行われました。

現在はこれが更に拡張されていて、

 1位と8位が同じ勝数の場合その2人でプレオフ
 2位と7位が同じ勝数の場合その2人でプレオフ
 3位と6位が同じ勝数の場合その2人でプレオフ
 4位と5位が同じ勝数の場合その2人でプレオフ

と、理論上は13ラウンド終了したところで1人も準決勝進出が決まらないケースもあります。
例えば2009年の世界選手権では、13ラウンド終了時点でこんな状態:

 1. Makoto Suekuni {SIN} 10 (1130)
 2. Masaki Takizawa {JPN} 9.5 (1137)
 3. Yusuke Takanashi {JPN} 9.5 (1103)
 4. Sebastien Barre {FRA} 9.5 (1077)
 5. Matthias Berg {GER} 9.5 (1069)
 6. Nicky van den Biggelaar {NED} 9.5 (1058)
 7. Milosz Cupiał {POL} 9 (1126)


2位〜6位が同じ勝数。
当時のルールでは4位と5位、すなわちSebastienとMatthiasでプレイオフを行ったわけですが、現在のルールだと、更に3位のYusukeと6位のNickyもプレイオフを行う必要があります。
幸い7位は9.5勝ではないので、2位の滝沢さんは同じ9.5勝ではありますがプレイオフ無しで準決勝進出が決まります。

2. ラスト2ラウンドの同国選手の対戦

2009年までは、最後の2試合は同国選手は当たらないというルールがありました。
自国の選手をわざと大きく勝たせるといった八百長を危惧してのルールかと思います。
ただ、基本的にはそこで対戦しているということは互いに近い成績のはずで、八百長なんか起こらないだろう、むしろ当たらないで済む方がずるいんじゃないの、という考え方で、2010年よりこのルールは撤廃されています。
実際、2010年の最終戦では、高梨―滝沢戦が組まれています。

ちなみに、2006年の水戸の世界選手権では、この「当たらない」ルールによって私はかなり救われています。
早々に3敗を喫してしまって崖っぷちだったわけですが、このルールによって為則九段と当らずに済み、3敗を守って準決勝に進めたのでした。

  * * *

他にもなんか細かいことがいろいろあるかもですが、その辺は本家のサイトで確認して下さい!