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オセロの終盤の打ち方

ここでは、オセロの終盤の考え方を学びます。

基本は「数える」

図1

右図の局面で黒番です。どちらに打つのが最善で、結果はどちらの何石勝ちになるでしょうか。

数えてみましょう。まず初めに現在の自分の石の数を数え、それから自石の増減を計算します。

現在の黒石の数は23個です。それでは初めに黒h1→白g1の手順を数えてみましょう。黒がh1に打つとその打った石で 1 個増えます。24個になります。それから縦と斜めの石が全部で 8 個返りますので、合計32個になります。最後に白がg1に打つとg2の黒石を返されてしまうので 1 個減ります。結果黒石は31個残ることになります。

次に黒g1→白h1を数えてみましょう。現在の黒石数は23。g1に置いた石 1 個と、縦と斜めの返る石の数11を加えて35個。白がh1に打つとg1とg2の2石を返されるので 35-2=33 で33個残ることになります。

つまりここで黒がg1に打つと33個残って勝ち、h1に打つと31個で負け、ということがわかるわけです。

このように、2 個空きで最善を見つけるには「数える」ということをします。この時点ではもはや中盤の考え方などは使えないので、隅だからh1に打ったほうが良いなどという考え方は絶対に使えません。慣れるまでは面倒くさい作業かもしれませんが、まず2個空きでは必ず数えるようにして下さい。

3 個空きでもやっぱり数える

図2

右図の局面で白番です。どこに打つのが最善で、結果はどちらの何石勝ちになるでしょうか。

やることは 2 個空きの場合と同様「数える」ことです。

まずここで白h1と打つ場合を考えましょう。現在の白石の数は25個です。h1に打つと3個増えて28個になります。さて、この後黒はどちらに打ってくるでしょう。一般に、終盤の最善手探索では相手も最善手を打ってくるものと仮定して考えます。数えてみれば黒はg1に打ってくることがわかります。黒がg1に打つと白石は5個減って23個になります。最後に白がh2に打つと8個増え、全部で31個になります。残念、これでは白は勝てないことがわかりました。

次は白g1から初めてみましょう。g1に打つと25個から5個増えて30個になります。黒はh1に来るので6個減って24個になります。最後に白がh2に打つと2個増えて26個。これでも勝てないことがわかりました。

それでは白がh2から始めた場合はどうでしょう。白がh2に打つと8個増えて33個になります。黒はg1に来るので9個減って24個になります。最後に白がh1に打つと9個増えて33個になります。やりました、勝ちがありました。

このように、一生懸命数えてやっとh2でのみ勝てることがわかりました。2個空きの場合は数えるパターンはたったの2通りで済みましたが、3 個空きの場合はその3倍の6通り数える必要があるわけです。ちなみに4個空きの場合はその 4 倍の24通り、5個空きはその5倍の120通り. . . と、N 個空きならば最大でNの階乗通り数える必要があります。

理論上は上で説明した方法で何個空きでも最善手を求めることができますが、数百通りの変化全てについて数えて比較することなど、出来るはずがありません。それゆえ、以降で説明するさまざまな手筋を覚えて、可能な限り数える必要を減らす工夫が必要です。

手止まりの重要性

図3

右図を見て下さい。次黒番だとします。どちらに打つのが最善で、結果はどちらの何石勝ちでしょうか。

正解はh1が最善で、黒h1→白g1という手順で28-36の白8石勝ちになります。

それではここで白番だとした場合、結果はどちらの何石勝ちになるでしょうか。

この場合は白g1→黒h1となって35-29で黒の勝ちとなります。

つまりこの局面、黒番だとすると白の勝ちで、白番だとすると黒の勝ちということになります。これから言えることは、2個空きでは先に打つほうが損で、後から打ったほうが得ということです。このように部分的な空きで最後の1手を打つことを「手止まりを打つ」と言います。この言葉を用いれば、「手止まりを打つことは大切である」と言えます。

偶数理論

図4

右図の局面で白番です。さて、どこに打つのが最善でしょうか。

白の打てる箇所は g1, h1, g7 の 3 箇所あります。もちろん全てについて数えて比較するのがベストですが、実際の試合などでは時間がない場合もありそれが出来ない場合もあります。このような時に思考の手助けになるのが、上で学んだ「手止まりを打つことの重要性」です。

右上の 2 個空き(g1とh1)を見て下さい。ここは2個空きですから、手止まりを打つためには出来れば自分から打たない方が良いと言えます(白h1→黒g1と、黒g1→白h1ではどちらが得か一目瞭然ですね)。

では右下はどうでしょう。ここは 3 個空きです。自分がこの3個空きに打ってやれば、当然そこは2個空きになります。右上も2個空きであり次は黒番ですから、右上、右下の2個空き共に、黒が先に打って白が手止まりを打つことが出来そうです。

ではg7に打ってみましょう。白がg7に打った局面が図5です。先に書いた通り右上(g1とh1)と右下(g8とh8)の両方が2個空きになっており、どちらについても黒が先に打たなくてはなりません。白としては黒が打った方について行くように打ってあげれば両方の空きで手止まりが打てることになります。その結果この試合は図6のように展開し、図7に示すように白の2石勝になります。

図5
図6
図7

オセロの手数は60手(偶数)であることから、基本的に白が手止まりを打つことが出来ます。上に見たように、白としては「奇数空きのところに打つ」ことを心がけて打てば全ての空きについて「手止まりを打つ」ことが出来ると言えます。

このように「奇数空きのところに打って全ての空きを偶数にする」という考え方を「偶数理論」と呼んでいます。もちろん例外もありますが、大抵の場合はこの偶数理論に従って着手を行えばそれが最善である場合が多いです。

上の例ではこの偶数理論がどんぴしゃに働いてg7が最善でしたが、実際の試合では、まず偶数理論を用いて「たぶんg7が最善だろう」と当たりをつけます。それからg7に打った場合の進行を考え、石の増減を数えます。それで33個以上の石が獲得できることがわかったならば実際にg7に着手を行います。

奇数理論

図8
図9

上で説明した偶数理論は白の特権なのでしょうか? いいえ、必ずしもそうであるとは言えません。

右図の局面を御覧下さい。黒番です。どこに打つのが最善でしょうか。

左上が 3 個空き、右上が 3 個空き、そして左下が2個空きになっています。「手止まりの重要性」から考えて、左下のb7に打つのは良くなさそうですね。それでは左上と右上のどちらに打つのが良いのでしょうか。

答えはh2です。それは左上の 3 個空きは白から打てないからです。白がこの3個空きに打てないということは、つまり白は左下と右上の2個空きの両方共に先に打たなくてはならなくなります。つまり黒は左上の3個空きを保留することで、右上と左下で手止まりを打つことが出来るのです。

白がh2に打った後は図 9 のように進んで白の2石勝ちになります。

このように、白から打てない奇数空き(この例ではa1, a2, b2の 3 個空き)を保留することで、黒が偶数理論(全ての空きで手止まりを打つ)を使うことを「奇数理論」と呼んでいます。

これから言えることは、白は自分から打てない奇数空きを作らないようにすべきであり、また黒は白から打てない奇数空きは最後まで保留するようにすべきである、ということです。

まとめ

  1. 終盤の基本は「数える」こと
  2. 手止まりを打つことが大切
  3. 奇数空きには先に打つ

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